複層ガラスの内側が白く曇り、室内側や屋外側から拭いても取れない場合は、ガラスの間へ湿気が入り込んでいる可能性があります。
一般的な結露と違い、二枚のガラスの間に発生した曇りは、表面を掃除しても改善しません。
この記事では、複層ガラスの内部が曇る原因、通常の結露との見分け方、放置する問題、交換費用、修理や交換を判断する基準を解説します。
複層ガラスとは
複層ガラスとは、二枚以上のガラスの間に空気層やガス層を設けた窓ガラスです。ペアガラスと呼ばれることもあります。
ガラスの間にある層が、室内外の熱を伝わりにくくするため、単板ガラスより断熱性を高めやすい特徴があります。
製品によっては、特殊な金属膜を設けたLow-E複層ガラスや、ガラスの間へアルゴンガスなどを封入したものもあります。
複層ガラスの内部が曇る主な原因
ガラス周囲の密閉部分が劣化している
複層ガラスの周囲は、内部へ湿気が入らないよう密閉されています。
経年劣化、紫外線、温度変化、振動などによって密閉部分が傷むと、外部の湿気がガラスの間へ入り、内部結露が発生することがあります。
スペーサーや乾燥剤が劣化している
複層ガラスの内部には、ガラス同士の間隔を保つ部材や、湿気を抑えるための乾燥剤が使われています。
これらが劣化すると、内部へ入った湿気を十分に抑えられなくなり、曇りや水滴が現れる場合があります。
ガラスや端部に小さな損傷がある
ガラス端の欠け、サッシのゆがみ、施工時の傷などから密閉性が低下し、内部結露につながることがあります。
温度変化や建物の動きによる負担
長期間にわたる温度変化、窓の開閉、建物の揺れなどが複層ガラスへ負担をかけ、密閉部分の劣化を進める場合があります。
普通の結露と内部結露の見分け方
| 確認項目 | 普通の結露 | 複層ガラスの内部結露 |
|---|---|---|
| 水滴の場所 | 室内側または屋外側の表面 | 二枚のガラスの間 |
| 拭き取り | 布などで拭き取れる | どちら側からも拭き取れない |
| 発生条件 | 室内湿度や外気温の影響 | 密閉部分の劣化や損傷 |
| 主な対策 | 換気・除湿・拭き取り | ガラスユニットの交換 |
曇りがガラスのどの面にあるか分からない場合は、室内側と屋外側をそれぞれ軽く拭き、変化するか確認してください。
窓表面に発生する一般的な結露の原因と対策は、次の記事で詳しく解説しています。
窓ガラスの結露がひどい原因は?自分でできる対策と交換・リフォームの判断基準
複層ガラスの内部結露は自分で直せる?
二枚のガラスの間に発生した曇りは、窓の表面を拭く、除湿機を使う、換気するといった方法では基本的に解消できません。
複層ガラスは工場で一体化されたガラスユニットであり、自分で分解して内部を掃除したり、再度密閉したりすることは困難です。
- ガラスへ穴を開ける
- 自分でサッシから取り外す
- 接着剤やコーキング材で外側だけ塞ぐ
- ドライヤーや暖房器具で強く温める
- 熱湯をかける
これらの作業は、ガラスの破損、熱割れ、落下、サッシの変形につながる危険があります。
内部結露を放置するとどうなる?
窓の見た目が悪くなる
白い曇り、水滴、筋状の汚れがガラスの間へ残り、外の景色が見えにくくなります。
断熱性能が低下する可能性がある
密閉状態が崩れている場合は、複層ガラス本来の断熱性能を十分に発揮できない可能性があります。
曇りの範囲が広がる
最初は一部だけでも、湿気の侵入が続くと、ガラス全体へ曇りや水滴が広がることがあります。
周辺部材の劣化につながる
サッシ周辺に水分がたまりやすい状態では、ゴム部品、コーキング、金属部品などの劣化が進む場合があります。
ガラスのひびやサッシの異常を見落とす
内部結露の原因が、ガラス端の損傷やサッシのゆがみである場合は、そのまま放置すると別の不具合につながる可能性があります。
交換を検討した方がよい状態
- ガラスの間の曇りが長期間消えない
- 二枚のガラスの間へ水滴がたまっている
- 白い汚れや筋が広がっている
- 窓から強い冷気を感じる
- ガラスにひびや欠けがある
- サッシが開閉しにくい
- パッキンやコーキングが劣化している
- 複数の窓で同じ症状が出ている
内部結露だけでなく、ひびや欠けがある場合は、安全面から早めの点検が必要です。
ひびが入ったときの応急処置と交換判断は、次の記事で解説しています。
窓ガラスにひびが入ったときの応急処置|放置する危険性と修理・交換の判断基準
複層ガラスの交換方法
ガラスユニットだけを交換する
サッシに大きな問題がなければ、複層ガラスのユニット部分だけを交換できる場合があります。
既存のサッシ寸法に合わせて製作するため、現地調査後に取り寄せとなることがあります。
ガラスと周辺部品を交換する
ゴム部品、ビート、コーキングなどが劣化している場合は、ガラス交換と同時に周辺部品も交換します。
サッシごと交換する
サッシのゆがみ、腐食、開閉不良、断熱性能の不足が大きい場合は、窓全体の交換を検討します。
内窓を追加する
既存窓の室内側へ内窓を追加し、断熱性を高める方法もあります。
ただし、曇っている複層ガラス自体が直るわけではないため、既存ガラスの交換が必要か確認してください。
複層ガラスの交換費用
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 小窓の複層ガラス交換 | 約3万~6万円 |
| 腰高窓の複層ガラス交換 | 約4万~8万円 |
| 掃き出し窓の複層ガラス交換 | 約6万~12万円 |
| Low-E複層ガラスへの交換 | 約5万~15万円以上 |
| サッシごとの交換 | 約10万~40万円以上 |
実際の費用は、ガラスの大きさ、厚み、性能、設置階、サッシの状態、作業条件などで変わります。
窓ガラス全体の種類別・サイズ別の費用は、次の記事で詳しく解説しています。
交換費用が高くなりやすい条件
- ガラスが大きい
- Low-E複層ガラスや特殊ガラスを使用する
- 高所作業が必要
- サッシや窓枠も交換する
- 特殊寸法で受注生産になる
- 複数人での作業が必要
- 夜間や休日の緊急対応
- 搬入経路が狭い
見積もりで確認する項目
- 交換するガラスの種類と性能
- ガラスユニット本体の費用
- 交換作業費
- 出張費
- 既存ガラスの処分費
- 周辺部品の交換費
- 高所作業費
- 追加料金が発生する条件
- 納期
- 施工後の保証
複層ガラスは取り寄せになることがあるため、見積もり金額だけでなく、交換までの日数も確認してください。
賃貸住宅の複層ガラスが曇った場合
賃貸住宅では、自分で交換業者を手配する前に、大家または管理会社へ連絡してください。
経年劣化、施工上の問題、入居者による破損など、原因によって費用負担が変わる可能性があります。
- 曇りに気付いた時期
- どちら側から拭いても取れないか
- 窓全体と曇りの写真
- ひびや欠けの有無
- サッシの開閉状態
- 雨漏りや結露の有無
管理会社の指定業者や、メーカー保証の確認が必要になる場合があります。
保証を確認する
複層ガラスには、製品や施工内容によって保証が設定されている場合があります。
保証書、施工記録、住宅の引き渡し書類などを確認し、内部結露が保証対象になるか、販売店や施工会社へ問い合わせてください。
保証期間内でも、ガラスの破損、フィルム施工、使用環境などによって対象外になる場合があります。
内部結露と熱割れは別の症状
複層ガラスの内部が曇る症状と、温度差によってガラスへひびが入る熱割れは別の現象です。
ただし、ガラスの密閉部分や端部が劣化している場合は、複数の不具合が同時に起こる可能性があります。
ガラスにひびがある場合は、熱割れの原因と見分け方も確認してください。
まとめ
複層ガラスの内側が曇り、室内側と屋外側のどちらから拭いても取れない場合は、二枚のガラスの間に湿気が入っている可能性があります。
内部結露は、換気や拭き取りでは基本的に解消できず、ガラスユニットの交換が必要になることがあります。
曇りを放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、断熱性能の低下や周辺部材の劣化につながる可能性があります。
見積もりでは、ガラス本体、作業費、出張費、処分費、周辺部品、追加料金、納期、保証を確認してください。
賃貸住宅では管理会社へ先に連絡し、持ち家では保証書や施工記録も確認しましょう。

